子どもが中学に上がってからケンカすることが増えた気がする…
子どもに言いたいことはあるけれど、うまく伝える方法ないかなあ…
保護者面談をしているとお子さまとのコミュニケーションの悩みをよく耳にします。
特に、お子さまが小学校高学年や中学生になったときに、悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
今回は教育者の目線から、口喧嘩にならないコミュニケーションの方法を紹介します!
執筆者の経歴
- 1988年横須賀生まれ、横須賀育ち
- 県立横須賀高校出身
- 学習塾歴10年
- 約200名の高校受験生を輩出
- 横須賀市の中学生は追大総を目指せ!を提唱し、2022年に「進学塾クロフネ」を立ち上げ
お子さまと口喧嘩になる原因
まずは、原因を考えてみましょう。
私がよく耳にする口喧嘩の原因を3つ挙げます。思い当たる節があるか、是非読んでみてください。
ゲームやスマホのやりすぎ
中学生くらいになると、お子様自身のスマートフォンを持たせるというご家庭も多いのではないかと思います。
持たせた途端に、勉強をせずにスマホばかり…。ゲーム・SNS・Youtube・友達とのLINE
我々大人を悩ませる四天王ですね。
小学生のご家庭からもよく相談を受ける原因でもあります。
大人から見ると、やるべきことを放ったらかしにして、ゲームやスマホに熱中してしまうのはとても心配ですよね。
とはいえ、買い与えずお友達と遊べなくなってしまうのも可哀そうですよね。
使い方や管理の仕方が重要であり、悩みがちな点でもあると思います。
過干渉
実際に生徒から聞いた話を紹介しますね。
中学生になったのに、寝る時間とかを口出しされてうるさい!
自分の部屋に居ると、何をやっているのかを聞いてくる…
特に、中学生になった後や学年が上がった後に生徒から聞くことがあります。
おそらく生活環境が変わったことで、
「家では自分の部屋で過ごしているよ」
「ウチは寝る時間は決まってない」など
お友達や先輩から色々な影響を受けるからだと思われます。
「中学生になったから余計なこと言わないで!」という自立心が芽生え始めているのかもしれません。
保護者の皆さまは
「中学に上がってから夜更かしが増えたなあ…」
「部屋にいるとき、何をやっているのかしら?」
と気になってしまいますよね。そのお気持ちは大変よく分かります。
勉強しない&宿題いつやるの
最終的には、これが最大の原因ですよね💦
試験前なのに、ゲームばかりしているけれど大丈夫なの!?
部屋に入ってしばらく経つけれど、宿題やってるのかしら…
お子さまがダラダラしている様子を見ると、心配の余り、つい口を出してしまいますよね。
保護者「アンタ宿題やりなさいよ!」
子「今やろうと思ってたのに…あー、やる気なくした!」
かくいう私自身も中学生のときに、このようなやり取りをした経験があります。
保護者が勉強してほしい気持ちは、痛いほどわかります。
しかし、勉強の話をするたびにケンカになるのもストレスになってしまいますよね…。
口喧嘩にならない話し方 4選!
子どもに勉強をしてほしいけど、ケンカにならないように伝えたい…。
ご安心を。おすすめなコミュニケーションを4つご紹介します!
子どもの話に耳を傾ける
まずはいかなる内容でも、お子さまの話を聞いてあげてください。
日頃から大人が子どもの話を聞くことで、いずれは大人の話を聞いてくれる傾向があります。
例えば、皆さんの学生時代に生徒の話をしっかり聞いてくれる人気の先生はいませんでしたか?
その先生から厳しいことを言われたとしても、恐らく反抗的な気持ちにはなりづらかったはずです。
もちろん先生とご家族では関係が異なるので、上手くいかない点も多いです。すぐに効果が出るわけではないので、時間をかけてゆっくり根気よく続ける必要があります。
今日、学校の先生がさあ…
来週発売する新しいゲームなんだけど…
次の日曜日に友達と●●に行くね~
などなど、話を振ってきたら必ず聞いてあげてください。また、聞くときは以下の2点を大切に!
1.途中で口を挟まず、最後まで聞く
2.否定をしない
お子さまの話の内容によっては、大人目線でついつい途中で間違えを指摘したくなってしまうときがあります。
そうなってもグッと堪えてください!
自分が話をしている途中に遮られて反対されると嫌な気持ちになりますよね?子どもたちも同じで、心のシャッターを降ろしてしまいます。
頭ごなしに否定をせず「うん、うん」、「そうなんだ」と相槌を打つのも非常に有効です。
内容につっこみたいときは、最後まで話を聞いてからにしましょう。
勉強しなさい!を言わない
2つ目のポイントは勉強してほしいときも「勉強しなさい!」この言葉を言わないことです。
勉強しなさいと言われてやる気が出ないのは、誰であっても同じです。
では、どのようにアプローチするべきか。次のポイントで説明しますね。
目標を投げかける
お子さまに問いかける形でアプローチしてみてください。
しかし、ただ質問をするのではなく、子どもが自身の中で持っている目標を聞いてみましょう。
例えば、定期テスト前だったら
次の試験は何点取りたいの?
長期休み前だったら
学校の宿題は何日くらいまでに終わらせたい?
子どもがどう考えているのかを聞いてみてください。
考えを聞くときのポイント
1.子ども自身に考えてもらうこと
2.大人が模範解答を持たないこと
「強制されたこと」と「自分で決めたこと」では実行力は雲泥の差があります。
しかし、中には期待に沿わない返答をするお子さまもいると思います。
テストは平均点を取れたらいいや
夏休みの宿題は早くやれって言うんでしょ?
「目標が低すぎる…楽をしたいだけでは?」
「もっと計画的に考えて欲しい…」
と、大人目線で見るとフラストレーションが溜まることもありますよね。
そんなときは「大人が模範解答を持たないこと」を意識してください。
「次のテストで何点取るためには、どうしたらいいと思う?」
という問い詰め方は絶対にしないでください。「勉強しなさい」と言っているのと同義です。
子どもは大人の求める答えを予想して返答するようになってしまいます。
自分の意志で決めた内容ではないですから、実行できるはずもありません。
目標がなければ、なりたくない姿を考えてもらう
もし子どもに目標を聞いて、明確な答えが返ってこないときは、なりたくない姿を考えてもらいましょう。
人間はポジティブなことより、ネガティブなことを考えがちです。それを利用します。
先ほどの定期テストと夏休みの宿題を例に挙げると
試験の点数が低いと、テスト直しがあるんじゃなかったっけ?
夏休みの宿題が最後の日まで残ってたらどうなっちゃう?
子どもからすると「テスト直し面倒だなあ…」
「夏休みの宿題が間に合わなかったら、先生に怒られる…」などなど
いろいろなイヤなことが思い浮かぶはずです。
そのイヤなことをどうやって回避するか、一緒に考えてみてください。
『目標を投げかける』のパートでも書きましたが、ポイントは2つです。
考えを聞くときのポイント
1.子ども自身に考えてもらうこと
2.大人が模範解答を持たないこと
お子さまへの褒め方例
続いてはお子さまへの褒め方です!
「頑張ったね!!」「すごいじゃん!」とひとことでバシッと褒めることや結果を褒めるのはもちろんOKです!
ですが、もっと褒める気持ちが伝わる言い方を紹介します!
それは、過去との比較や行動を褒めることです。
テストを例に挙げると…
試験2週間前からは、ゲームを我慢して頑張ってたもんな!
去年と比べると、1週間も早く宿題終わったのね!頑張ったね!
「頑張ったね!!」とひとことで褒めるのと比べてどうでしょうか。
子どもから見ると、ちゃんと頑張りを見ててくれたと伝わると思います。
特に、前項の子どもが考えた目標を達成できたときは、「前に自分で決めた目標を達成できたね!」と必ず、目標達成に触れましょう。
自分で考えた目標が達成できたことは、自信に繋がり自己肯定感を持てるようになります。
自己肯定感は非常に重要で、次も頑張ろうという原動力になります。
とはいえ、成績やテストの点数は、残念ながら褒める箇所がない場合もあるかもしれません。
無理に褒める必要はありません。そんなときは、子どもの話に耳を傾けることに徹しましょう。
「うん、うん」、「そうなんだ」と相槌を打ちながら聞いてみてください。
すると、子どもたちは
「周りの友達が間違えた問題を正解できたよ」
「ここは焦ってしまって勿体無かったなぁ」
など、頑張った点や反省点を教えてくれるものです。
「●●を頑張ったんだね」と行動を褒めてあげてください。
時間はかかりますが、きっと良い習慣を作っていくきっかけになります。
最後に
今回は、子どもとのコミュニケーションについてまとめました。
お子さまと話すときの参考にして頂ければ幸いです。
進学塾クロフネでは、年数回、保護者面談を実施しております。
保護者に代わって、塾の先生という第三の大人が子どもと話すことで、驚くほど効果が出ることもあります。
ぜひお気軽にご相談ください!